7月2日より新宿バルト9にて公開されている『映画館でVR!』の第一弾【VR映画三本立て(おそ松さんVR/evangelion:Another Impact (VR) /夏をやりなおす)】を鑑賞してきました。
(公式WEBサイトよりキャプチャー)
3作品の中で『夏をやりなおす』(若干ホラー)だけがオリジナルコンテンツで、他の2作品は既存コンテンツを映画館VR用に若干カスタマイズしたもののようです。
館内では飲食は禁止です(持ち込んでも、HMDしていると手元が見えないですしw)。体験時間は説明を含め約30分。本編映像は20分程度です。
入場するとHDMとニンジャマスクを手渡されます。HMDはPICO社製のものをVAIO社がカスタマイズしたもの。ヘッドフォンはありません。少々大きめですが装着は簡単です。
最初にスタッフによる装着方法の説明、その後に映像による説明があります。
説明映像の最後、ガイドキャラクターが左右に飛び回りながら観客に呼びかけるシーンがあります。これは一斉利用型のVRでの動作確認のお約束(この時に別の方向を向いている観客がいた場合、HMDの設定に異常が発生している可能性があると、前方のスタッフが判断できる)。
そして、1つ短いCMが入ってから本編スタート。このCMもVR映像になっています。じつはこのCMが一番VRっぽい動きをします。この映像で酔わなければ本編でも多分酔う心配はないでしょう(そのために意図的に動きを作っているのかも)。
『夏をやりなおす』『おそ松さんVR』『evangelion:Another Impact (VR)』の順番で上映。それぞれの作品間では30秒程度のブラックアウトがあり、少し目を休めることができます。
また万一鑑賞中に酔いが発生しHMDを外しても、前方のスクリーンには固定映像で同じ映像が流れているのでストーリーを見逃すことはありません。
完全オリジナルコンテンツの『夏をやりなおす』は、VRならではのシーンが短い中に沢山盛り込まれていました。ネタバレになるので書けませんが…。
利用してみて感じたのはまず、HMDのバランスが少し前に偏っているので長時間の装着には向いていなさそう。
また視野角がそれほど広くありません。最近どんどん視野角の広いHMDが増えてきているので、そちらに慣れてしまうと逆に狭いと感じるかもしれません。また、視野外周部のレンズの歪が目立ちます。これは私だけが感じた訳ではなくVRの経験が浅い人も言っていました。
映画館という場所がら、座席数(と予備)だけのHMDを用意しておかなければならないので、比較的廉価かつ誰でも簡単に装着でき、メンテしやすいという条件でHMD機種を選択したのだろうと思いますが、今後1時間を超えるようなコンテンツを上映するのであれば、HMDの改善は必須でしょう。
音響は映画館のスピーカーを使用しているのでヘッドフォンで聞くよりも臨場感はあります。ヘッドフォン再生の場合、制作に苦慮するVR音響が必要無いメリットもありますね。
マスコミ発表などでは「ホラーなどで観客の実際の悲鳴などが聞こえることでより臨場感を楽しめる」と言っていましたが、これについては…館内ガラガラだったので実感できませんでしたw。
来場客層は、まだ「映画を見る一般客」というよりは、「VRに興味のある人」がほとんどでした。コンテンツのセレクトもジャンルがバラバラのため、例えば「おそ松さんVR」だけが目当ての人には他の2本は逆に邪魔に感じたかもしれません。一方で「何でもいいからVRを体験したい」という人には3本で1500円という価格はリーズナブルかもしれません(ちなみに『おそ松さんVR』はゲームセンターなどでは1回800円)。
また今回は第一弾ということで、コンテンツも運用も実験なのだろうとは思います。ノウハウを収集して、今後改善していけば一つのVRの楽しみ方として映画館が選ばれるような時代になるかもしれませんね。