バンダイナムコがお台場ダイバーシティ内に、VRエンターテイメントの専用ロケーション実験施設「VR ZONE Project I Can」を4月15日に開設。早速体験してきました。
この施設は完全予約制です。私は予約受付開始日に予約しましたが、その後各ニュースメディアや、TV番組などで紹介されたことで予約殺到。現在では1ヶ月先まで全て予約終了しています。
4人同時プレイ可能。
プレイヤーは車椅子に載せられ、懐中電灯をかざしながら病院内を進んで行きます。前進、後退は自由ですが、走行コースはいくつかのパターンのうちのどれかを強制的に進まされます。そのコースは4人で同時にスタートしてもバラバラに。
チェックポイントでは、その4人が全員揃うまで先に進めません。そのため、1人でも怖がって先に進めなくなると、そこから進めなくなり淡々と制限時間が減っていってしまいます。もしクリアを目指すなら、たとえ怖くても前進し続けなければなりません(目をつぶるのも一つの手です)。
このコンテンツは、利用前にしつこいくらいに「恐いけれど良いですか」と聞かれます。実際ものすごく恐いです。
VRでの没入感ならではの脅かしも多く、本物のお化け屋敷よりも恐いかもしれません。
同時にプレイしている人とはマイクを通じて会話できるのですが、会話よりも悲鳴を共有するような形になり、より恐怖を煽ります。
実験コンテンツでもあるので、やり過ぎなレベルかもしれませんw。
でも、VRの没入感を一番感じられるコンテンツでしたので、ぜひ一度、殺される体験するべき1つです。
『REAL DRIVE』
ナムコといえば昔からレースゲームに力を入れていたゲームメーカー。
そのノウハウをフルに投入したレースゲーム。このコンテンツのみHMDを装着せず、代わりに「戦場の絆」などで利用された、半球面スクリーンへの投影で没入感をプレイヤに与えるシステムです。
リアリティさについては、「初めてシムロード(ワンダーエッグ)に乗った時のような」感覚でした。
HMDを使用しない分、ゲームセンターなどで商品化されるのは一番早いのではないでしょうか。
●『高所恐怖SHOW』
HMDの他、センサー用のマーカーがついた靴と、グローブを装着して、高さ200m地点で何故か目の前にある細い1本橋の先で震えている子猫を救出するコンテンツ。
エレベーターに乗って上昇するというシーンがあるので、スタート時はより高度を感じ、一歩目を踏み出すのは確かにちょっと怖かったです。
ただ、残念なことに、進んでいる途中でちょっと映像が乱れた感じがあったのと、子猫を捕まえた後に、その子猫の位置がセンサー認識のエラーのためか、うまくいかないタイミングがあり、その瞬間、現実に引き戻されてしまいました。
そのコンテンツがリアルであればあるほど、ちょっとしたエラーでリアリティを喪失してしまうというのは、昔も今も変わっていないのだなと実感しました。
(昔については、私のWEBサイトに残している1990年代に書いた卒論などの記事参照)
『SKI RODEO』
非常に難易度の高いゲレンデを滑り降りるスキーコンテンツ。
足元のコントローラーは、かつてナムコから発売されていた「アルペンレーサー」と同様のもの。
そのためか、ゲーム性としては熟れており、それにVRによる全方位映像が相まって非常にリアルにスキーを楽しめるコンテンツでした。
逆にゲーム性があまり良くなかったため、「なんだかなぁ」といった感想になってしまったのが『アーガイルシフト』。
シナリオ設定、デザインなどに一流のメンバーが揃っているため、前評判も良かったのですが、折角の設定、デザインを活用しきれていないのではないかと感じました。
ゲームシーンに入るまでは良かったので、このコンテンツはゲームはおまけ程度として、AIキャラクターとの絡みなどストーリーの方を楽しむ方が良いのかもしれません。
『トレインマイスター』
『電車でGO!』の高機能版。リアルではあるのですが、普通運転士は運転中前以外は見ないので、残念ながらHMDを使用する必要があったのかという感想。
これこそ、半球面スクリーンに投影する形のほうが良いのではないでしょうか。
一番最初に、『脱出病棟Ω』をプレイしてしまったため、そのインパクトが強すぎて、他のコンテンツの評価が辛めになってしまいましたが、いずれにも言えることは、私が最初にVRを経験した時(セガのVR-1、アタリのバーチャリティ2000、ナムコのファイヤブルなど)に比べれば、格段に違和感がなくなっているのは確かです。HMDも軽くなり、プレイに熱中した時には全く重さを感じません。
HMDの価格もかなり下がってきていることで、今年はVRの普及元年と言われていますが、その今年にナムコ(本来は、バンダイナムコというべきでしょうけれど、ここはナムコと言わせてください)が実験施設とはいえVRに「本気を出しすぎた」コンテンツを投入してきたことは、今後のVRコンテンツに大きな影響を与えることは間違いないでしょう。
ただ、実は今回は仕事としての視察を兼ねていたので同僚と一緒だったのですが、その参加者の1人が、かなり強いVR酔いを感じ、途中でコンテンツ体験をリタイヤしてしまいました。その後帰社してからも酔いが残っていたとのこと。
利用者によって強弱のあるこの酔いの現象をどうするかというのも今後の課題になってくるでしょう。
もう一つ、今後仕事でVRZONEを体験される方にご注意を...
仕事で行く場合、利用料金を経費で落とすこともあるかと思いますが、この施設では現時点では領収書の発行ができないとのことです。
バナパスポートサイトのバナコイン利用実績(またはクレジット購入明細)などを、領収書の代わりとして利用できるか、会社の経理部門に予め確認しておきましょうw。
VRZONE Project I Can公式サイト
また、本日テーマパークファンサイト「アミューズメントレビュー」サイトの管理人さんも体験されていましたので、後日レポートがアップされると思います。こちらもぜひ御覧ください。