有明にあるミニチュアテーマパーク、スモールワールズTOKYOのバックヤードツアーに参加しました。
料金は1人2,900円(入園料別)で、2名もしくは3名1組、1回のツアーでは2組までの限定(感染症対策のため人数を絞っています)。
専属のガイドの案内で、各テーマエリアの表と裏を紹介。
まずはツアー集合場所にある沢山のモニターの説明から。館内各所を映しているこのカメラ映像は、いざというときの監視カメラの映像の一部。時々発生する「大嵐(大きい人間の持ち物落下など)による街の破壊」や「誘拐事件(小さい人々が急に居なくなってしまう)」などが発生した時に、発生時間の確認や、速やかに元に戻すためにも使われているそうです。
宇宙港エリアでは、最近ごく一部だけ展示公開された未来の宇宙港の製作途中箇所や、ロケット発射シーケンスの裏側などを見学。ロケットの噴射にはステージ演出などにも使うスモークマシンを使用しているため、油分がロケットに付着、破損も多いのだそうです。そのため常時予備機を複数用意し、交換しながら使用しているとのこと。
バックヤードから雪山の裏側を見学。これらの造形は全て、断熱材にも使用される硬い発泡スチロールのような土台の上に作られていて、造形の軽量化が図られています。また、修理の際は土台をユニットごとに取り外してその部分だけ作業場に持っていけるようになっています。
現在雪山エリアにはクリスマスの風景がありますが、これも普段は何も無い山肌だった場所のユニットを入れ替えて設置されています。イベントが終わるとまた元の山肌に戻ります。
街を裏側から。ミニチュアは原則85分の1のサイズで作られていますが、遠景に当たるこの部分はそれよりももっと小さなサイズで作られ、遠近感を強調するようになっています。
関西空港エリアのバックヤード。
航空機は全て自律制御されていてサーバーからの司令により、搭乗ゲートや滑走路に移動しています。また離着陸用のユニットに自動で乗ったり、離陸してバックヤードに入った航空機が、展示の地下を通って着陸用のユニットまで移動するのも自動です。
現在は離陸用滑走路と着陸用滑走路が別れていて、同じ方向にしか離着陸しませんが、実はシステムとしては、実際の空港で風向きを考慮して運用するパターンの離着陸も出来るようになっているそうです。
できるだけ本物の関西空港と同じような動きをするなっていますが、実は着陸について関西空港の方から一旦はチェックを入れられた動きがあるそうです。それは、「本当の着陸は、もっと滑走路の手前に降りないとオーバーランする」というもの。でも、ミニチュアでそれをやると見て面白くないということで、現在の位置になっているそうです。
現在、クリスマスイベントということで、限定機が時々離着陸します。バックヤード内にはそのうちの1機がメンテナンスに入っていました。
パーク開館にあたって一番最初に製作がスタートしたのがエヴァンゲリオンエリアの格納庫エリアだそうです。見た目よりも遥かに細かい可動箇所や、細かい調整などが行われて、現在の形で完成。バックヤード内にはプロトタイプの格納庫(待機時は機体が拘束されている)もあります。
第3新東京市では、ビル格納シーケンスを裏から見学。
一見、全てが連動しているようで実は微妙にズレて動くように制御されています。これは庵野監督の指示によるもの。これらの制御を含め、このエリアで140台のラズベリーパイが使用されているそうです。
バックヤードツアーではその他にも、セーラームーンエリアなどで走っている自動車が、あの小ささでも信号を守ったり、最新の車体ではセンサーによる追突回避や、ウィンカーの明滅、バッテリーが低下すると自分でバックヤードの充電器に戻ってくるなど、まるでルンバのような高性能であること(そのため1台10万円くらいする)などの説明がありました(他にもたくさんありますが、それは実際に参加してのお楽しみ)。
また、バックヤードツアーでしか不可能な構図での撮影や、通常では死角になってしまって見えない部分の造形なども撮影できます。
バックヤードツアーならではの楽しさがありますので、スモールワールズTOKYOに行くならぜひ一度は参加されるのをおすすめします。
Another Worlds’ Story
「世界の街エリア」の世界観をより深く楽しむための空想短編小説『Another Worlds’ Story』。現在、期間限定で声優・安元洋貴さんが朗読した音声をパーク内で楽しめます(12月31日まで予定)。
大聖堂の地下がなぜこうなっているのか、大図書館に屋根も壁も無いのがなぜか。
それらがこの物語を知ることで理解できるようになります。
こちらは無料です(インスタグラムなどで文章版も公開されています)。
スモールワールズTOKYOは頻繁にイベントなどで造形が変わるので、何度来ても新しい発見があります。
なにしろ、バックヤードツアーのガイドさんも知らないうちに街が変わっていることがよくあるそう(大きな変更についてはちゃんと企画をプロデユーサーが吟味して進めていますが、小さい変更や、遠景などの部分はクリエイターさんの自由に任せているとのこと)。また有料で設置できる自分のミニチュアについても、可能な限りリクエストに応じてくれるそうです(実際、登山の格好でグループで撮影して、山の中に登山隊を設置したお客さんもいるそうです)。
何度来ても楽しいパークとしてこれからも発展していくことを期待します。