現在、お台場ダイバーシティのMRシアター「Tyffonium」(Tyffon社)で営業中のコンテンツ『Corridor』。先日ニューズウィーク日本語版でも紹介記事が掲載されています。
この記事の中で「舞台となる館の歴史や背景も細かく設定。住人を襲った悲劇、重なる不幸、そこから始まる黒い噂を小説のように作り込み、登場する無数の「亡者」にはそれぞれ生前の姿まで設定した。」とあり、実際に何度か体験してみると、単なる脅かしの連続だけではない、ストーリーが朧げながら見えてきます。
ただ、公式WEBサイトや施設のブリーフィングなどで一切の説明がなく、また初めて体験した方は、脅かしの仕掛けの方に意識が向いてしまうので、恐らくこのストーリーは伝わっていないのではないでしょうか。
そこで、私が体験した内容を元に、このシアターに流れているであろうストーリーを独断で考察してみました。あくまでも個人的でかつ、2017年12月末に3回目を利用した段階での考察になります。クリエイターの方が本来考えていたものとは大きく異なる可能性が高く、また合っていたとしても今後のリニューアルでストーリーが変わることもあることを予めご了承ください。また、考察上「ネタバレ」になる部分もありますので、「ネタバレ」を好まない方は、一度体験するまでは、お読みにならないことをお勧めします。
【序盤】
回遊1周目。穏やかな日差しが差し込む廊下に掲げられた夫婦の肖像画。恐らく、結婚したばかりの幸せな時期に描かれたもの。
しかし、奥の扉に入ると雰囲気は一転。少々荒れた部屋が表れ、不穏な雰囲気、そして外はいつの間にか嵐。これは、現在のこの館のリアルな姿。壁に書かれているのは人物関係図?テーブルの髑髏が動いている。
奥の扉の先、廊下の右手の部屋にはちらりと、このシアターのポスターにも描かれている木馬。
生まれてくる子供のために用意した、子供部屋だったのでしょうか。しかし、扉は閉ざされ入ることができません。前方の廊下も崩れ落ちており、体験者は左手の扉を進むことに。
ついさっき通ったばかりの廊下から再度部屋へ。瞬間、部屋全体が異形のモノに…。すぐに元に戻る。気のせいだったのか。ここから何かが蠢きだす。
寝室の扉がわずかに開き人の気配が。しかし部屋に入っても誰もいない。いや、窓の外テラスに子供を抱いた女性の姿。しかし、近づく間もなく彼女は…
【中盤】
リフトもしくはエレベーターのどちらかで館の地下へ向う。そこには魔物が住み付いていた。この館には古くからの狂気が渦巻いているようだ。夫婦は知らずにここに住み、この狂気によって不幸に導かれたのだろうか。
気がつけば館全体が、異形のモノに変化。その胎内に取り込もうというのか。
【終盤】
異形のモノから逃げるように飛び出すとそこは館の外。しかし、この世界とは異なる異空間のようだ。そこに現れたのは...
『館の影響で呪われた子供を産み、狂気のあまり自殺した母親の残留思念』がストーリー?
まるで内臓のようなシーンが各所に登場しますが、これは呪われた子供が母親の精神を蝕んでいるときのイメージが映像化されたものなのではないでしょうか。子供が胎内にいたころの風景が思念となって合わさっているように思います。
その子供の思念が、ある日夫婦に襲いかかった。体験者が中盤以降に見た風景はその時の母親の記憶だったのかもしれません。最後に体験者は無事に脱出することができますが、夫婦は脱出できず、そのまま異形の世界に取り込まれ、精神を病んでしまった。
序盤で登場する女性。彼女は、その呪われた子供とともに投身自殺したシーンを体験者に見せることで、館の奥に進まないよう警告を発していたのかもしれません。
気になるのは、肖像画でしか登場しない父親。早いうちに館によって取り殺されていたのでしょうか。それとも、実はもともとこの館の主で、生贄として彼女をこの館に住まわせ、呪われた子供を産ませたのでしょうか。気になるところです。
...あくまでもこれは、私の勝手な想像です。本当のストーリーも是非どこかで知りたいと思っています。公式に発表されないかなぁ...。