3年ぶりに幕張メッセのリアル会場で開催されたCEATECを見学。
コロナ前に比べると広さも、参加人数も7割ぐらいといった感じでしょうか。
会場内の一角は「メタバースエキスポ」と題して別区画に。ここは区画自体が入場待ち列ができるほどの盛況でした。ただ「メタバース」という流行に乗っているだけという感じの企業も結構見受けられました。一時期の流行だけで終わらないことを願いたいですが、このままだとちょっと心配。
個人的に気になったものとしては、ウェアラブルデバイスによって舞台演出を変えるという「FUTTE-ME」というものがありました。
従来のステージは音楽や映像に合わせて演者がパフォーマンスをするというものですが、このデバイスでは、演者のパフォーマンスに合わせて音楽や映像を変えていくというものです。
現時点では、手首のセンサーの動きからリズムを取り出して、そのリズムに合わせて曲の速度や映像演出を変えるというものでしたが、手首以外に装着したり、もっと他の要素を取り出すということも今後できそうです。
舞台ではプロダンサーの方がデモンストレーションを行い、その後、一般の方が体験しているところを見学しましたが、まだ慣れていない一般のかたはやはり「音楽に合わせてしまおうとする」ので、ちょっと混乱するような感じでしたね。
もう一つはメタバースエキスポ内の大日本印刷ブースで展示の「みどころウォーク」。HMDを装着し、手すりをたどりながら見学コース(今回はフランス国立図書館の天井画をデジタルアーカイブしたもの)を歩いていく、ウォークスルーVRです。
特徴的なのは通路の先にある螺旋階段を登るシーン。螺旋階段の部分ではポールにつかまり、ポールの周りをぐるっとまわって上のフロアに移動します。このときリアルには1周半(360度+180度)回り、実質的にはそのままUターンして戻る形なのですが、VR空間上では少しペースがズレていて1周3/4(360度+270度)の移動となっています。これにより映像上では、進行方向が90度曲がった形になっています。
シンプルな仕掛けですが、VRならではと言っていい仕掛けだと思いました。
全体としては、以前に比べるとあまりワクワクするような展示がなかったなぁという感じです。CEATEC自身、特にパーツ系の技術展示会なので、私のような技術頓珍漢な人間にはさっぱりわからない物ばかりというのもあるのでしょうけれど。それでも昔はもっと楽しく見学できたのに…。これも加齢によるものでしょうか。