大垣から近鉄線で養老へ。徒歩10分ほどの養老公園内に「養老天命反転地」がある。芸術家荒川修作氏、マドリン・ギンズ氏による、「心のテーマパーク」である。園内は大きく分けて「養老天命反転地記念館・養老天命反転地オフィス」、「極限で似るものの家」、「楕円形のフィールド」の3つに分かれている。
入口はいってすぐにあるのが「オフィス」。
近代的なオフィスだが・・・。
隣の「家」はもっと奇妙。壁に半分埋まったキッチン、風呂、トイレ、ダイニングなどなど・・・。
上を見ると天井にもキッチンなどが・・・。
パンフレットの使用法(注意書き?)によると、「何度か家を出たり入ったりし、その都度違った入口を通ること」「今この家に住んでいるつもりで、または隣に住んでいるつもりで動き回ること」「どんな角度から眺める時も、複数の地平線を使って見るようにすること」・・・・だそうだ。
家から、「死なないための道」、「しかしながら道」、「どんな道」を通って「フィールドへ」ここには、「家」のような構造物、日本地図、迷宮、ふかふかに見える硬いソファーなどが多数ある。それら全てが「変」である。見晴らし台からの景色は良いが、この見晴らし台にたどりつくのも一苦労。
あるいは完全な暗やみの迷宮の奥地に光の日本地図もあった。
フィールド全体は窪地になっており、坂ばかり。歩き回るのには体力が必要だ(ついでに、常識を維持・廃棄する精神力も必要かもしれない)。また、足元が不安定なのでつねに注意して歩かないと怪我の元となる。こういう場所だからよいが、都市部にこんなパークを作ったら、けが人が続出してしまうのではないかと危惧してしまう。でも、楽しい。とくにフィールドの中央にいると、窪地のお陰で現実世界から完全に隔離され、まともな光景が無くなる。唯一正しいのは自然の木々だけ。視覚心理もかなり考えられて作ってある。